医療脱毛の通院間隔、クリニックに言われた通りで本当にいい?部位別の根拠と私の経験談

脱毛

次の予約、いつにしよう?

私は脱毛に通っていた時、毛周期が大切だとは知ってはいました。
しかし、実際の「正しいタイミング」はわかりませんでした。

クリニックに「1ヶ月後に来てください」と言われても、
「なんで?」 がずっとモヤっとしていました。
実際、勝手に1か月半に伸ばしてました。

説明してくれるクリニックもあるんですが、
クリニックによって通院間隔の説明が違う…。
「とにかく次回は〇ヶ月後ですよ」で終わるパターン、あるあるじゃないでしょうか。

この記事では、そのモヤモヤを解消するために論文を調べた結果と、
実際に通ってみての感想をまとめます。

「なぜその間隔なのか」がわかると、
通院スケジュールを組むときにかなり気持ちが楽になると思います。

私の脱毛経験

全身脱毛経験済みで、ほとんどの部位を10回以上施術しています。
元医療機器メーカー勤務が仇になり、興味本位で体験した機械は5種類。
そのため、クリニックを9軒ハシゴしました。
かかった費用は50万円弱です。


なぜ間隔をあける必要があるのか——毛周期の仕組み

レーザーは「成長期の毛」にしか効かない

まずここを知っておくと、間隔の話がかなり理解しやすくなります。

医療脱毛のレーザーは、毛根にあるメラニン色素に反応して熱を発生させ、
毛包(毛を育てる袋)にダメージを与えることで減毛を実現します。

ポイントは、このダメージが「成長期(アナゲン期)」にある毛包にしか作用しないという点です。
(StatPearls, Laser Hair Removal, NBK507861)

毛には大きく3つの周期があります。

状態レーザーの効き
成長期
(アナゲン期)
毛が活発に伸びている。
メラニン色素が豊富
◎ 最も効く
退行期
(カタゲン期)
成長が止まり退縮する。約3週間続く△ 効果は限定的
(Krasniqi et al., J Cosmet Laser Ther. 2022,
DOI: 10.1080/14764172.2022.2075899)
休止期
(テロゲン期)
毛包が休んでいる。
メラニン色素が少ない
× ほぼ効かない

1回の施術でどんなに丁寧に照射しても、その瞬間に休止期にある毛にはアプローチできません。

なぜ何回も通う必要があるのか

「1回じゃ終わらないのはわかった。でもなぜ間隔が大事なの?」 というと
「次の成長期を迎えた毛を順番に狙うため」 です。

休止期だった毛が次第に成長期に入る。
そのタイミングで照射することで、少しずつ毛を減らしていく。
この繰り返しが医療脱毛のしくみです。

部位によって成長期・休止期の長さが違うため、間隔の目安も変わってくる。
ここが部位別に間隔を設定する理由です。


推奨間隔の基本——まず「4〜6週」を知っておく

複数の臨床研究が、施術間隔として4〜6週間隔を共通して採用・推奨しています。

論文・出典内容
StatPearls, Laser Hair Removal(NBK507861)最低4〜6回・4〜6週間隔が十分な効果を得るための最低要件
Eremia et al., Dermatol Surg. 2001;27(11):920-924アレキサンドライトレーザー89名の研究で「4〜6週間隔で最低3回」を実施
Mittal et al., J Cutan Aesthet Surg. 2008;1(2):75-79(PMCID: PMC2840900)インド人女性59名を対象に「4〜6週間隔で6セッション」を実施

これはあくまで全身に対する共通の最低基準。
部位によってはもっと長い間隔が推奨されます。


私がクリニックで言われたのも「1か月〜2か月」だった

私が実際にクリニックで言われたのも 「1か月後〜2か月後で」 でした。
最初はなんとなくその通りに予約していたんですが、
部位によって生えそろうタイミングが違うので、
論文を読んで「なるほど。」と今更ながら思いました。

その部位ごとの違いを次に紹介します。


部位別の推奨間隔と根拠

間隔の設定には2つの基準があります。
「推定成長期の長さ」が推奨間隔の目安になり、
「休止期の長さ」が許容できる上限の目安になります。

成長期のうちに来院するほど取りこぼしが少なく、
休止期が終わる前であれば次の成長期の毛に間に合います。

なお数値はすべて目安であり、個人差・使用機器・毛質によって異なります。

【部位別データテーブル】

部位成長期の割合休止期の長さ毛周期推奨間隔
(成長期ベース)※
許容上限
(休止期ベース)※
上唇65% ※16週間〜6週〜6週
脇(Axilla)30%約12週(3ヶ月)7ヶ月〜9週 ※4〜12週 ※4
ビキニライン(VIO)30%約12週(3ヶ月)7ヶ月〜9週 ※4〜12週 ※4
腕(前腕)― ※2― ※28ヶ月参考:〜10週 ※3参考:― ※3
足(Legs)20%約16週(4ヶ月)1年〜10週 ※5〜16週 ※5

※推奨間隔は成長期の毛を取りこぼしにくい目安。
許容上限は休止期が終わる前の目安。
いずれも試算値であり、論文が直接示した数値ではありません。

出典:
成長期割合・休止期は Lepselter & Elman, J Dermatol Treat. 2004;15:72-83
(DOI: 10.1080/09546630310023152)Table 1より。
毛周期は Krasniqi et al., J Cosmet Laser Ther. 2022
(DOI: 10.1080/14764172.2022.2075899)より。

※1 論文の原文表記は「Moustache(口ひげ)」。解剖学的には上唇と同位置のデータ。

※2 腕(前腕)の成長期割合・休止期データは今回確認した論文には記載なし。
毛周期8ヶ月(Krasniqi et al. 2022)から推定した参考値です。
論文上の直接的な根拠は現時点で確認できていないため、参考値としてご参照ください。

※3 腕の推奨間隔は毛周期8ヶ月から推定した参考値。
成長期割合・休止期データが確認できていないため、許容上限は算出できていません。

※4 脇・VIOの根拠:推定成長期=毛周期7ヶ月×30%=約9週
(試算値・異なる出典のデータを組み合わせた推定)。

※5 足の根拠:推定成長期=毛周期12ヶ月×20%=約10週
(試算値・異なる出典のデータを組み合わせた推定)。

部位ごとに言い換えると——
脇・VIOは 推奨間隔は9週以内、最長でも12週(約3ヶ月)以内
足は 推奨間隔は10週以内、最長でも16週(約4ヶ月)以内 となります。

筆者:いのは
筆者:いのは

ちょっと気になること:ネット上の「毛周期」の数字について

「脱毛 間隔」で検索すると、

「毛周期は約2ヶ月」「脇の毛周期は3ヶ月」といった数字をよく目にします。

ただ、これって本来の

「毛周期(成長期+退行期+休止期の1サイクル全体)」じゃなくて、
成長期の長さや推奨施術間隔を「毛周期」と呼んでいるケースが多い気がします。

論文データでは脇の毛周期全体は約7ヶ月(Krasniqi et al. 2022)、足は約1年。
ネット上の数字より大幅に長いんですよね。

「毛周期」という言葉が何を指しているかによって数字の意味がまったく変わるので、
情報を読むときは「これは成長期の話?毛周期全体の話?」
と意識してみると混乱が減ると思います。

上唇——顔は間隔が短くてOK

成長期の割合が65%と高く、休止期も6週間と短め。
6週以内で施術を重ねることで、比較的効率よく毛周期をカバーできます。

「顔は早く終わる」とクリニックに言われた経験がある方もいるかもしれませんが、これが理由です。
実際、私も顔は比較的早く終わりました。

脇・VIO(ビキニライン)——推奨9週以内、最長でも12週(約3ヶ月)

成長期の割合が30%にとどまり、休止期は3ヶ月。毛周期は7ヶ月です。
上唇と比べると成長期の割合が低く、推奨間隔は9週以内、最長でも12週(約3ヶ月)以内が目安になります。

I・Oライン、脇は太い毛のため、3回目ぐらいから毛が細くなるのを感じました。
しかし、脇は目に見えて減っていくのに対し、VIOラインは細い毛がなかなかしつこく生えてきていました。
この部位は色素沈着もあり、出力を上げられないと言われたことが原因のひとつかと思います。

足——推奨10週以内、最長16週(約4ヶ月)

毛周期は1年と全部位の中で最も長く、休止期も4ヶ月。成長期にある毛の割合も20%と低め。
推奨間隔は10週以内、最長でも16週(約4ヶ月)以内が目安です。

「足の脱毛、なかなか終わらないな」と感じている方は多いと思いますが、
毛周期的に仕方がない面があります。
ただ見方を変えると、毛周期が長い分、1回の施術で成長期の毛をしっかり狙えれば、
長期的には高い減毛効果が期待できるとする報告もあります。
(Krasniqi et al., J Cosmet Laser Ther. 2022)

私自身、ひざ下が一番効果を実感しにくく、また回数を多く費やした部位でもあります。

間隔が短すぎると逆効果になる

前回の施術からあまり時間が経っていない段階では、多くの毛がまだ休止期のままです。
レーザーが効かない状態で照射しても、毛包へのダメージが小さくなるため、効率が落ちます。
「早く終わらせたいから短い間隔で行こう」は、
無駄打ちになりもったいないので、しっかり間隔を空けましょう。

気になってたまらなかったので、国内文献でも試算してみました

上のテーブルは海外の2つの論文(

Lepselter 2004 の成長期割合 × Krasniqi 2022 の毛周期)
を掛け合わせた試算です。


「じゃあ国内の毛周期データで同じ計算をしたらどうなるんだろう?」
と気になってたまらなかったので、あくまでも参考までに試算してみました。

国内文献(土井英明「レーザー治療最近の進歩 第2版」P178-184, 克誠堂出版,
2004 / 今川孝太郎・宮坂宗男「光が皮膚に与える影響」日レ医誌 JJSLSM 第32巻第4号,
2012, p.3 より孫引き)の毛周期データはこちら。

部位国内文献の毛周期
腋窩(脇)5〜7ヶ月
前腕4〜7ヶ月
下腿(足)7〜9ヶ月

これに Lepselter 2004 の成長期割合を掛け合わせると…

部位成長期割合国内毛周期推定成長期(国内版)海外版との比較
30%5〜7ヶ月約6〜9週海外版:約9週 →ほぼ同じ範囲
足(下腿)20%7〜9ヶ月約6〜8週海外版:約10週 →2〜4週の開きあり

※成長期割合の国内データは確認できていないため Lepselter 2004 を流用。
海外版と同じく異なる出典の掛け合わせです。

【成長期の長さの違い】 
脇はほぼ同じ範囲に収まりましたが、
足は国内版成長期が2〜4週ほど短くなりました。
すなわち、国内版の足は推奨間隔が「6~8週」、海外版は「~10週」です。

どちらが実態に近いかは現時点ではわかりませんが、
「文献によってこのくらいブレる」という認識で数字を見ておくのがよさそうです。


通院間隔の感覚は回数が進むと変わる——私の過去の経過と感想

コース中は短い間隔で通う

施術コースの進行中は、部位ごとの推奨間隔を守って通い続けることが基本です。
成長期の毛を取りこぼさないことが目的なので、
この期間はできるだけ指示された間隔を守るのがおすすめです。

コース完了後はメンテナンスに移行

コースが完了したあとは間隔が大きく開きます。
残った毛包の毛周期に合わせて6〜12ヶ月に1回程度のメンテナンス通院に移行するのが一般的です。
(StatPearls, Laser Hair Removal, NBK507861)

コース終了後も「完全にゼロ」にはならないことがほとんどなので、
メンテナンス前提で計画を立てておくと、
後で「あれ、まだ毛が…」と焦らなくて済みます。

私の場合、当初は1か月半〜2か月を目安として通院し、
毛量が減ってからは看護師さんと相談して3か月〜と間を空けていきました

「しっかり生えそろってからで良いですよ」とのお言葉で、
徐々に間を空けた記憶がありますが、
論文のメンテナンス期間の6~12か月に到達したのは、
おそらく9回目以降とかだいぶ後だったと記憶しています。

(脇は比較的早く半年とか空けていたかも)

3か月ぐらい間を空けたのは5回目到達前だったと思うので、
論文ベースでの成長期の割合を考えれば、
もう少し短いスパンでもよかったのかも?と思う部分もあります。

このあたりは、生えそろうタイミングが人それぞれなので、
看護師さんに相談しながらペース配分をすると良いと思います。


まとめ

論文を調べていて、ひとつ気づいたことがあります。

私が通っていた2016〜2020年頃は、
「1か月〜2か月で5回程度」という案内がスタンダードでした。
これは、複数の臨床研究が共通して採用・推奨しているベースである
4〜6週間隔という施術間隔と概ね合致します。
成長期の毛を効率よく狙う、という考え方です。

一方、現在では「2〜4ヶ月ごと」と案内するクリニックも増えてきた印象があります。

この「2〜4ヶ月」を論文データと照らし合わせると——

2ヶ月(約8〜9週): 脇・VIOの推奨間隔(〜9週)にほぼ収まる
3〜4ヶ月(約12〜16週): 推奨間隔は超えるが、
 休止期ベースの許容上限(脇・VIO〜12週、足〜16週) の範囲内に収まる

つまり、昔は「1〜2ヶ月」は成長期を確実に狙う設定
最近は「2〜4ヶ月」は休止期が終わる前に来ればOKという設定、とも読み取れます。

成長期ベースの「推奨間隔」から、休止期ベースの「許容上限」へ——
クリニックの案内のトレンドが移行しつつあるのかもしれません。

もちろんこれは私の仮説です。
機器の進化・施術プロトコルの変化・個人差への対応など、別の要因も十分考えられます。

「なぜこのクリニックはこの間隔なのか」が気になる方は、
次回の施術前に一度聞いてみるのがおすすめです。

「部位によって毛周期が違うと聞いたのですが、今の間隔の設定はどういった根拠で決めていますか?」

科学的な背景を知った上で質問すると、返ってくる答えの質も変わるかもしれません。


【免責事項】本記事に掲載している数値は、臨床試験・系統的レビューから得られた統計的中央値または平均値です。個人の毛色・皮膚色・ホルモン環境・部位・使用機器により実際の結果は大きく異なります。完全な脱毛効果を保証するものではありません。

関連記事:https://inoha-rise.com/hairremoval02/

コメント

タイトルとURLをコピーしました